私が働いているのは専門学校です。日本の学校は4月に始まり、3月に終わります。
3月14日は卒業式の予定でしたが、計画停電による電車網の混乱のため、16日に延期になりました。
今年の卒業生の半数近くが海外から来ている学生でした。そのうち、半分ぐらいが日本で働きたいと言っていました。しかし、この大地震と原子力発電所の事故でご家族が心配され、次々に帰国を決めました。
4月から来る予定だった外国人学生からもキャンセルが相次いでいます。
ある国の出身者は大使館に行けば、飛行機のチケットがすぐに手に入る、などという噂も飛び交いました。
卒業式は予定の参加者の半分ぐらいで、寂しいものでした。卒業式の最中に2度、地震がありました。
その後のパーティーには、買占めと計画停電の影響でピザもサンドイッチも用意できず、スナックだけしか出してあげられませんでした。
でも学生たちは皆、心から楽しんでくれました。国に帰る学生も「私は帰りたくないです。すぐに戻ってきます。」「日本は大丈夫だって言ってきます」と挨拶しました。
バングラデシュから来ている学生が最後にスピーチしました。
「ここにいる私たちは日本が、この学校が大好きです。日本は、今、本当に若い力を必要としている。外国人で帰る国のある人も、日本人の人も、できるなら今、日本で頑張ってほしい。僕はみんなと一緒に日本を守っていきたい」
そして「皆さんの時間を1分だけください。一緒に祈りましょう」とスピーチを結びました。
そこにいた全員が手を合せ、目を閉じました。被災者の方へ、それぞれの未来へ、祈る気持ちは皆同じだったと思います。
日本にいても他のどこかの国にいても、どの学生にも素晴らしい未来があるように、そして日本で今、つらい思いをしている人にも、と私も祈りました。
とおやまあつこ
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